2021年7月に静岡県熱海市で発生した土石流で崩壊した盛り土の一部が多摩川流域から運ばれたと推定されることが、静岡大学の研究者チームの調査で明らかになった。これまでの研究成果も合わせると、盛り土に含まれていた土砂は平塚市の相模川河口や小田原市の中村川下流域、相模原市内の神奈川県内計4地点から採取されたとみられるという。
調査は土石流の起点になった伊豆山の逢初川源頭部に造成された盛り土の採集地を特定するため、静大防災総合センター長の北村晃寿教授(古生物学)らが行った。
北村教授によると、源頭部に残る盛り土や土石流堆積物の土砂に、特定地域に分布する「チャート」と呼ばれる岩片が見つかった。同時代とみられる岩片が神奈川県東端を流れる多摩川流域でも確認されたという。
チャートは熱海市内に分布し…